ヤスの世界にようこそ…
【ミットレール・ヤス】
昨今のゲーム会では5人、6人は安易に集まる人数になってきたためか、5、6人ゲームに対するニーズが多くなりました。
4人ゲームも遊べるゲームの種類が多いので何を立てるかあまり悩むことはありません。
困ったのが3人のいうことになります。
とにかく3人は遊ぶ種類のゲームが少な胃という印象があります。
最近テンデイズゲームズで「ミューラー」という傑作3人ゲームのリメイクがありましたから
少しは解消されるかなとは思います。
トランプでは3人で遊ぶことに適正があるゲームが結構あります。
トリックテイキングでは、【スパー】、【ミッチ】、【トリベーロ】、【トルフ】
創作系の【クレッシェンド】、【シェリフ】【99】
それ以外でも、【ヤニブ】、【スパー】でもいいです。
誘っても「トランプ?いいです!!」っていわれてしまうとどうしょうも無いんですけどね。
今回説明する【ミットレール・ヤス】も3人専用のゲームです。
スイスでは【ヤス】というトリックテイキングゲームが遊ばれていますが、その中の一部で【ミットレール・ヤス】というゲームがあります。
スイス全土で遊ばれている【ヤス】も魅力的なゲームでありますが、【ミットレール・ヤス】はこのゲームにしか味わえない面白さがあるので紹介していきたいと思います。
面白いゲームではあるのですが、得点や切り札のシステムが非常に独特のゲームではあるので、かなり租借して、わかりやすーく紹介していこうと思います。
ちなみにこのルールに特殊カードがくっついているコズミックエイデックスカードゲームというカードゲームあります。
- 目的
得点のカードを集めて、なるべく2位にならないように目指します。
ただし、獲得した点数にもよっても勝利条件が変わってきます。
- 人数、用意するカード
人数は3人限定、デッキは2~5までをのぞいた36枚のカードを使用します。
- カードのランクと得点
このゲームでは切り札のスートか普通のスートかによって、ランクと得点が多く変わります。
通常では…。
ランク(強→弱) | A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 11 | 4 | 3 | 2 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
となりますが、切り札では以下のようになります。
ランク(強→弱) | J | 9 | A | K | Q | 10 | 8 | 7 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 20 | 14 | 11 | 4 | 3 | 10 | 0 | 0 | 0 |
ここで注目するのはJと9です。
Jは通常4番目の強さですが、切り札になると最強になり、得点も18点多い20点に。
9にとっては通常では点がつきませんが切り札になると、準最強となり14点も増えてしまいます。
J、9を持っている場合には点数のコントロールに注意しなければいけません。
あと、最後のトリックに買ったプレイヤーは5点獲得します。
それにより、1ラウンドの総得点は157点となります。
あと特殊なケースではありますが、切り札が決らないときがあり、
その時は8のカードの得点だけが8点となります。
表で表してみましょうかね?
(切り札が最後まで決定しない場合)
ランク(強→弱) | A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 11 | 4 | 3 | 2 | 10 | 0 | 8 | 0 | 0 |
これも最後のトリックに買ったプレイヤーは5点獲得し、1ディールの総得点は157点となります。
では、切り札はどのように決まるのか??それは後々説明します。
- 配り方、プレイ
デッキをよくシャッフルしてカットした後、ディーラーは右隣に3枚まとめて配ります、
それから3枚ずつ反時計回りに配りきります、配りきるまで4周することになります。
配りきったら、ディーラーの右隣からリードしますこの時点では、切り札のスートはまだ決ってません。
それ以降は通常のマストフォローのルールと同様、反時計周りにリードされたカードを出していきます。
- 切り札決定
カードがフォローできない場合、任意のカードを出します。
この時に出したカードのスートが切り札として決定されます。
例を書いてみます。
プレイヤーはA、B、Cこのラウンドではまだ切り札が決っていません。
このトリックでは、まずAが♠7をリードしました。Bは♠Aをフォロー。Cはスペードが無かったので、♦2を出しました。
この時点でこのラウンドではダイヤが切り札となり、切り札を出したCがトリックを獲得しました。
このように、ゲームの途中で切り札が決定するという独自のルールがあります。
この切り札がどうなるか読めない感じが本当に楽しい、大体は切り札決定した後、自分の作戦が総崩れになるんですよね。
さらに、切り札の使用法にも独自の方法があります。
- 切り札決定後のプレイ
切り札が決った後は、以下のように変わってきます。
- 1.切札以外のスートがリードされた場合、そのスートのフォローの義務はありますが、切札はフォローのカードがあっても、出すことができます。しかし、既に切札が出ている場合には、その切札より弱い切札を出すことはできません。
2.切札のリードの場合には、切札をフォローします。この時は必ず強いカードを出す必要は無いです。しかし、切札はジャックしか持っていない場合、切札ジャックを出さないで他のどのカードを出すこともできます。
切札がなければ、どのカードを出してもいいです。
切り札の出し方が独特になりますので注意!!
これを例で出してわかりやすくしてみます。
1の例)切り札はスペードの時、Aはダイヤをリード、ここで>、Bはダイヤを持ってましたが、スペードのJをリードしました。Cはスペードを出したかったのですが、Jより強いカードが無く、やむなくダイヤの6をフォローしました。
2の例)切り札ハートの時、Aはハートの9をリード>、Bはハートの6をリードしてわざと負けます。CはハートはJしかありません。出したくなかったのでクラブの6をディスカードしました。
こんな感じになります。
- 得点計算
トリックを全て終了したら、取ったカードの点を合計し、以下の条件を番号が小さい順から確認して、該当する得点を獲得します。
- 1.全トリックを取ったプレイヤーがいたら、そのプレイヤーはプラス2点、他の2人はマイナス1点。
2.1回もトリックに勝たなかったプレイヤーがいたら、そのプレイヤーはマイナス2点、他の2人はプラス1点。
3.100点以上取ったプレイヤーがいたら、そのプレイヤーはマイナス2点、他の2人はプラス1点。
4.最も高い点数のプレイヤーと最も低い点数のプレイヤーがプラス1点、中間の点数のプレイヤーはマイナス2点。
1、2はかなりレア、3も滅多に出ることは無いです、4が一番多い。
なので、このゲームのポイントとしては2位にならないことが重要となるのです。
ただし、2位になってしまった。としても、うまくトップに100点を押しつければ自分が有利になります。
中途半端に取ってはいけない。トップになっても取り過ぎてはいけない。
ここら辺の塩梅が非常に面白いです。
こうして1ディール終了となります。
- スコア記入方法
【ミットレール・ヤス】において、スコアシートの書き方は独特です。
プラス1点では|
マイナス1点では○
得点に動きがあった場合、プラスのあとにマイナスを書くとき、逆にマイナスのあとにプラスを書くとき、○と|を重ねて書くのです。
要はΦと書いて0点とするのです。
なんで…
ΦΦ
こーなると、猫の目っぽくなりますねえ。
点数としては0点なんですけどね。
写真を見てもらえると解るのですが、ゲームが進むとこんな感じになってます。
変則的な切り札のルールも覚えづらいのですが、うまくゲームに作用していて切り札の出すタイミングを巧妙にずらして絵札を取ったり、切り札が決定するのが独特のルールがあるので、
これらによって展開が予測できないことになってます。
自分の多く持っているカードが切り札になる化は決められない(むしろ決る可能性は低いと思います)のも予測できない展開に一役買ってますしね。
1位、3位に点が入るので、中途半端に取ってしまうのが一番危険です。
なるべく多く取るか、極端に少なくトリックを取らなければいけません。
ただし、2位になってしまうことがわかるようでしたら、相手に100点取ることを狙わせることも出来ます。
勝ち方が自由度が高いので様々な戦略が取れるように出来ています。
説明が複雑ですが、最近のトランプの中では傑作だと思います。
遊ぶ機会が極端に少ないのが本当に残念なんですよね。。。。。
もし、気の知れた方が3人集まりましたら、是非とも遊んでみてください。