ゲームばっかりやってないで

アナログ、デジタル、両方のゲームが好きで、それらのリビドーをぶちまけるブログ。そのほかにもいろいろな雑記も。

うんすんかるたの地、人吉に行く

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2017の18日目の記事です

adventar.org

10月の末、草場さんに同行して「うんすんかるた」の発祥の土地である熊本県人吉に訪れましたので、今回のrick-taking games Advent Calendar 2017の記事は
この人吉に訪れたことを書こうと思います。



まず、うんすんかるたとは何かと言う話からしていかないといけません。

トランプは16世紀ごろ初めてポルトガルから長崎にラテンスートのトランプ(地方札)が入りました、
そのカードは南蛮カルタと言われ、
それを模した札が福岡県大牟田市を中心に大量に作られ天正カルタとして栄えていきます。
しかし天正カルタは賭博を禁止されたことにより衰退していき、絶滅しました。
はずなのですが、人吉でなぜか残存しており
現在では重要無形文化財となって伝えられていたのです。
スートが花(棍棒)、剣(刀剣)、コップ(杯)、貨幣、巴紋で絵札が女性、騎馬の武者、武者、福の神、唐人竜からなっており、お互いの強さが複雑に絡んでいます。
「うん」は1、「すん」は最高を表し、「うんともすんとも言わない」の語源になったとされています。
遊び方としては「8人メリ」と言う4人対4人で遊ぶチーム戦が有名です。
詳しくはこことか読むといいです。


うんすんカルタ - Wikipedia

自分も2、3度遊んだことがあり、ランク、役を覚えるのが大変なゲームですが
チーム戦ならではの駆け引きの要素があり非常に楽しむことができました。

では前置きはそこまでで人吉がどういうところなのか。
その説明から。


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人吉市熊本県の最南端に当たり、
九州山地に囲まれた盆地地帯になっています。
廃藩置県が行われるまで
相良氏の統治下に置かれ城下町として栄えただけあって
街中に昔ながらの街並みが溢れて、その街を横切るように球磨川が流れていいます。
自然と歴史ある街並みの調和が美しく取れている町で
九州ウォーカー」などでよく観光するオススメの街特集特集を組まれています。
ただ風情、歴史だけではありません。

人吉はナトリウム炭酸水素塩泉の弱アルカリの泉質の温泉が湧く、
温泉観光でも有名な場所でもあります。

旅館にある温泉に入ってゆっくり、でもいいのですが地元には元湯と朝温泉という共同温泉があり、

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どちらも200円で格安で入浴できる地元で愛されている共同浴場です。
この温泉は観光客も入ることができ、
こういうことができるのは地元住民のおおらかさがあるからなのでしょう。
共同浴場に自分は両方とも入ることができたのですが、他の温泉地の共同浴場では、慣れた人しか無理だろうと思うくらい熱いお湯が多いのですが、この二つの共同浴場はややぬるま湯でゆっくり長く入ることができます。
温泉はアルカリ性のヌルヌル感がある黄金色。
絶え間なく湯船があふれています。

キレイに清掃された浴場内で満足に入ることができました。

で、すいません、本題のうんすんの話でしたね。

ネットでうんすんかるたの館、と検索をかけてみると一軒のお店が出てきます。
館山商店という名前です。

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これで良いのだろうかと半分心配になりながら目的地の近くに車を止めて歩いていきます。
観光特集の記事ににあるような陳腐な言い回しになってしまうのですが、このあたりは石畳通りの家々が昔ながらの古風の通りの出ます。
この通りは鍛冶屋町通りというところで「九州の小京都」とも言われているそうです。
その通りを通りをしばらくブラブラと歩く。
暫くいくと石畳がうんすんかるたの札の絵にになっているところがあります。

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顔を上げると大きな屋敷があり、
その屋敷の横にうんすんかるたの碑があります。
そこが屋敷がうんすんかるたの保存を励んでいる立山商店さんです。

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本職は人吉球磨茶を販売する茶屋問屋さんだそうで。

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うんすんかるたの話をしたい、とお話ししたところ、
草場さんから連絡があったらしく
(草場さんはその時車を置きに行って遅く来られました)
中に通してもらい色々な種類の水出し茶をご馳走になりました。

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スッキリとした味わいでお茶独特の渋みがなくゴクゴク飲めます。
近所の小学生が作ったそうです。

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中庭がありゆっくりお茶を飲みながら眺めることができます。

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京極夏彦さんも人吉にいらしたそうで…
この人のおかげでうんすんかるたを知るようになったんですよね

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駐車場の近くにも記念館がありますよ。
とのことで、草場さん待ちで空いた時間に落とずれました
駐車場の近くの公園にもうんすんかるたの記念館。

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こちらは部屋はきれいに飾られていて、うんすんかるたの記事もありました。

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では、うんすんかるたの館へお邪魔します。

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階段を上がるとプレイルームになっていました、
地元の小学生たちが作った絵だそうです。

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さらに会談を上がり3階は畳敷きになっており、
うんすんかるたの資料が数多くありました。

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窓の上には歴代の大会で優勝したチームの写真が飾られてました。
草場さんのはなしだと、のとの五位多感も同じ作りになっているそうです。
うんすんかるたの替え歌の歌詞がありました。

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異邦人のメロディーに乗せて歌いましょう。


草場さんが本来、うんすんかるたは絶滅してしまうものだった、と話してくれました。
遊ぶ方が高齢になり 、かるたも1組しか存在しなかったそうです。
その1組しか残っていない消滅寸前のカルタを地元に赴任してきた教師がカルタを複製し、
ルールを学び消滅を防いそうです。
その教師の名はは鶴上寛治氏という方で言う方で、
うんすんのカルタ会の保存会の会長をされていました。
因みに
鶴上氏は今でもご存命で博物館の館長をされてるそうです。

詳しくはココに鶴上氏の話が出ています。

kusabazyun.banjoyugi.net

この記載だと草場さんは2006年にまで4度来訪していることがわかります。
今回のでおよそ10年ぶり、5度目の来訪になったという事でしょうか。



館を出たら、
丁度町内会のイベントでハロウィンの真っ最中。
古い町並みにハロウィンの仮装をした子供たちが歩いている不思議な風景、、、
こんな風景を昔見たような気がします。

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時の流れは止まることはありません。
流行り物は時間が早くその命は短い
ネットなどのだいとうでその時間はさらに早くなっていってると思います。
しかしそんな中でも形を変えつつも止まっていくものは数多くある
そんな考えが頭の中をよぎりました。
残すことは難しいこと。
それがきちんと残るかどうかはわからないからだ。
でも、ウンスんはキチンと残されている
人吉の街並みと供に。


それと、人吉には球磨拳という拳の遊びがあり、
その大会があったのがメインになるんですけどね…
そっちを書き出すとトリテのテーマが無くなってしまいそうなんで…
そっちの方は必ず後で必ず書こうと思います。